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クリスマス!

クリスマス特別長編小説です!

これ書くのに無駄に苦労したぜ……内容が良いかは知らないけどね!


















「今日はどうしたのだろう悪乱の奴……紫様と何かやってるみたいだが」

だいぶ日も傾いてきた夕方頃。
今日の朝早く悪乱が来てからと言うもの、藍は紫に追い出されていた。
悪乱のために今日は家を丸ごと使うと言うのだ。
仕方なく橙を遊びに行かせ、藍は様子見のためこうやって家の前にいた。

「あ~……良いわ~」

「ゆ、紫様!?」

そんな中、鼻血をどう見ても致死量噴出している紫が家から出てきた。
しかし物凄い白くなった顔と違い、その表情は幸せそうだ。

「紫様大丈夫ですか!」

「あ~藍?……やっぱり悪乱は良いわね~……あれこそアイドルよ」

「……は?」

紫の言葉で藍は心配そうな顔を崩した。
物凄い意味不明な言葉が聞こえたような気がしたのだ。

「……あの紫様?悪乱に何かしたんですか?」

「え?……あ、あぁそういう悪いことはしてないわよ!?」

冷ややかな、そして殺気混じりだった藍に気付いた紫は一気に普通に戻った。
あのままで答えていたら、この悪乱に物凄い過保護な自分の式に殺される所だったからだ。

「はぁ……では何なんですか?」

「今夜は忙しくなるってことよ。私と悪乱がね」

呆れたような藍に調子を取り戻したのか、紫は胡散臭い笑みを浮かべていた。
今日は12月24日。
最近幻想郷にも言葉だけは伝わってきたクリスマスイブの日である……。











クリスマスイブ。
そんな外の世界では特別な日でも幻想郷の人々には関係ない。
むしろ次の日のクリスマスにある宴会に供えてみんな良く寝るくらいだ。
だがそんな夜更け……一つの影が幻想郷を飛んでいた。

「行くよー紫!」

「えぇ。さぁ始めは白玉桜よ」

影はスキマを開くと、そのままスキマの中へと消えていった。












「ふぅ……今日はもう寝ますか。明日はまた大変だし……」

白玉桜の庭師、妖夢。
彼女は今見回りも一通り終わり、やっと寝に入ったばかりだった。
彼女の主である幽々子はいつ寝て、いつ起きてくるかわからない。
だから今の内に寝ておくのが良いのだ。

「あら~ありがとね」

「うんっ!妖夢と美味しく食べてね!」

(……ん?幽々子様の声?)

主が起きたならば起きなければならない。
そう思い妖夢は布団から身を起こそうとしたのだが……。

「メリークリスマス!」

「へ、わぁぁぁぁぁ!?」

突然飛んできた謎の質量によって再び妖夢の体は布団に寝かせられた。
いや正確に言うならば押し倒されて、布団に倒れたというべきだろう。

「な、なななな何なんですか!?」

「妖夢は寝てなくちゃダメなの!!」

「へ……あ、悪乱さん?」

妖夢の布団に馬乗りになっている影。
それはいつもの黒い服装とは全然違う服装をしている悪乱だった。
そうその服装は……簡単に言うとサンタクロースだった。
何故かサンタクロースの割には真っ黒だが。

「良いから寝てーーー!」

「むむむむ!?」

布団をギュッと押さえられ、呼吸不能になる妖夢。
このままでは寝るどころか、それ以上になってしまう。

「あ~待ちなさい悪乱。今境界を弄って寝かすから」

(その声は……紫……様……?)

その思考を最後に妖夢は眠りへと落ちていった。
最後に妖夢が見たのは、物凄い嬉しそうな顔をした悪乱であった……。
















「まず白玉桜完了だね~」

幻想郷の空を飛ぶ黒い影。
それは先ほど白玉桜に現れた、真っ黒な悪乱サンタであった。
背中には黒く大きな袋を背負っているが、服装だけ見ているとサンタクロースと言うより、ただのサンタのコスプレだった。
横を飛ぶ紫もそう思っているのか、鼻血を必死に押さえている。

「次は永遠亭だよ~!でも途中で配ってあるくから今度はスキマは良いよ?」

「え、えぇ……」

空を飛んでいく二人。
しばらく飛んでいくと不意に悪乱が止まって地上に向かっていった。

「……慧音寝てるよね?」

人里の近くにある慧音の家。
そこにこっそりと忍び込む黒サンタは物凄く怪しかった。

「寝てる寝てる……えっと慧音へのプレゼントはと……」

袋から箱を取り出す悪乱。
それをこっそりと慧音の寝ている布団の横に置くと、こっそり出て行った。

(誰か入ってきたと思ったら悪乱だったとはな……)

悪乱は気付かなかったが、慧音は実は起きていた。
まぁ入ってきたのが悪乱だとわかったから寝たふりをしていたのだが。

(何か置いていったみたいだが……まぁ悪乱が置いていったなら大丈夫か)

そう考えた慧音は、そのまま眠りに入った。
箱の中身は何なのだろう?
そんな疑問を残して……。

「慧音の家完了。じゃ永遠亭に向かわないと。お願い、紫」

「はいは~い」

悪乱に言われて永遠亭へのスキマを開く紫。
本当に悪乱の言うことは良く聞く奴である。












「てゐ完了~次は鈴仙だよ~」

コソコソと永遠亭を徘徊する悪乱と紫。
悪乱は元気そうだが、紫は鼻血を必死に抑えているせいかそろそろ死期が訪れそうである。

「あら貴方。こんな夜中にどうしたのかしら?」

「あ、えーりん。起きちゃってたか~」

「あらあら、起きてちゃダメだったみたいね」

「ぶ~そういうわけじゃないけど……」

いかにもいきなりいた悪乱に冷静に対応しているように見える永琳。
だがその手は鼻の辺りを押さえており、悪乱のサンタ姿を見て鼻血を出しかけてるのは丸わかりである。

「まぁ良いか……メリークリスマスなの」

「あら……?ありがとう?」

急に悪乱に箱を渡されて少し戸惑ったような表情をする永琳。
だが鼻血を出しながらも頭は回ったようで、急に納得したような顔になった。

「あぁそういうこと」

「うん!今から輝夜の所と鈴仙の所にも行って来るの!」

「なら姫様の所に行ってきなさいな。うどんげはまだ起きてるから私が寝た後に置いといてあげるわ」

「ありがとえーりん!じゃあコレが鈴仙のね」

永琳の言葉に笑顔になった悪乱は鈴仙の分を渡すと、紫を連れて輝夜の部屋へと向かっていった。
悪乱が消えてから我慢出来なくなった永琳が鼻血を噴き出したは言うまでもない。










「あら、こんな時間に来るなんて珍しいわね。珍しいお供を連れて」

「輝夜も起きてた~」

少しお酒を飲んでいたらしい輝夜は悪乱の姿を見ると、少し口元を緩めて笑った。
紫はどうやら輝夜の言葉に反応するほど余裕がないようだ。

「これなんだけど……明日朝起きてから開けて欲しいの」

「……そういうことね。えぇわかったわ、ありがとう」

差し出された箱を受け取り輝夜は嬉しそうに笑った。
言わずともこの箱が何を意味するものかわかったようだ。

「じゃあ僕はもう行くから」

「もう行くの?少しゆっくりしていけば良いのに……」

「まだまだ行かなくちゃならない所があるから~」

「そう……まぁ良いわ。また明日ね悪乱」

「うん!輝夜もまた明日ね!」

もうノックアウト状態の紫の手を引きながら悪乱は輝夜の部屋を後にした。
今夜中に幻想郷を回らなければならないのだから、急がなくてはならない。










「も~紫?疲れてるなら無理しちゃダメだよ?」

ぐったり状態の紫を背負って降りた場所。
そこにある家に入った悪乱はその場に紫を寝かせた。

「こんな時間に誰……って悪乱に紫?」

そこにこの家の主である幽香が奥から現れた。
物凄い引きつった、嫌そうな顔をしている。

「幽香~紫を預かって欲しいの~。紫体調悪そうで……」

「う~悪乱……良いわ~」

「体調が悪いんじゃないみたいだけどね……」

紫の呟く言葉と表情を見て幽香は本当に嫌そうにため息を吐いた。
紫の面倒を見るのは良いが、原因が原因だから嫌なのだ。

「あ、そうだ!幽香にもメリークリスマス!」

「……は?」

悪乱に元気良く渡された箱を呆然と見る幽香。
どうやら事態が飲み込めてないようだ。

「それは明日の朝まで開けちゃダメだよ!じゃあね!」

「あ……」

呆然とする幽香が見ている間に悪乱は紫を置いて飛び去ってしまった。

「明日の朝……そういうことか」

悪乱の言わんとしてることがわかった幽香は珍しく少し笑顔になった。
こんな日もたまには良いかも知れない……そう幽香は思っていた。

「う~」

……後ろに唸る紫がいなければの話であったのだが。












「メディ~メリークリスマス!」

「悪乱。生き物は寝る時間じゃないの?」

「今日は僕は良いの~」

「そうなの」

幽香の家を出た悪乱が向かった先。
そこは鈴蘭畑だった。
そこにはもちろんこのメディスンがいる。
こんな時間でも人形である彼女は寝ることがないのだ。

「さてプレゼント~明日の朝まで開けちゃダメだよ」

「えぇわかった」

素直に悪乱の言葉に頷き箱を受け取るメディスン。
他の人と違って意味はわかってないようだが、従うようだ。

「さて急がないと。紫いないからスキマ使えないし。またねメディ!」

「うん」

メディスンの返事もまたもに聞かずに悪乱は飛び去った。
今までは紫のスキマが移動手段だったが、紫がダウンしてる以上そういうわけにはいかない。
だから悪乱は急いで幻想郷の空を飛んでいた。
そんな所に調度他にも飛んでいる人物に出会った。

「あれ~?悪乱さんじゃないですか?」

「あっ文だ!こんな時間までお仕事~?」

「あはは……ちょっと遅くなってしまいまして」

悪乱が出会った人物、それは文だった。
相変わらず取材であちこち飛び回っているらしい。

「そんな大変な文にプレゼント~明日の朝に開けてね?」

「わっありがとうございます~。……ん」

箱を渡された文は嬉しそうにしていたが、急に考えるような表情になった。

「黒いサンタ幻想郷に現れる……これは良い見出しです!早速書き上げなくては!」

「頑張ってね~」

「はいっ!ではまた!」

新聞のネタが思い付いたのか、文は急いで自分の家に向かって飛んでいった。
そんな文に手を振っていた悪乱もまた、次のプレゼントを渡しに向かった。















「……ん」

「そっと……そっと」

足音を立てずにそっと忍び歩きをしている悪乱。
ここはリリー姉妹の住む家。
悪乱はここにも箱を置きにわざわざ来たのだ。

「……メリークリスマス。ブラック」

静かに呟き悪乱はそっとブラックの寝てる横に小さな箱を置いた。
そしてそのまま悪乱はそっと家を去って行った。

「ふぅ……もう少しだ。ふぁ……」

小さくため息をついていた悪乱だったが、不意に欠伸が出た。
今日は朝早くからずっと準備をしていたせいか、ここになって疲れが出てきたのだ。

「もう少しなんだから頑張らないと!さぁって次は霖之助や魔理沙の所だ!」













「失礼しま~す……霖之助は寝てるよね?」

香霖堂にこっそり入り込み店内を見渡す。
これだけ暗いし、店内には人影はない。
どうやら霖之助はきちんと寝ているようだ。

「じゃあプレゼントはカウンターに置いてと……あれ運ばないと。その後は魔理沙の家だね」

悪乱はカウンターに箱を置くと、香霖堂の裏手に周った。
そこには今までで一番大きな箱が置いてあった。

「ん~重い~……よいしょ……」

それを重そうに持ち上げた悪乱はフラフラと飛んで行った。
物凄い重いのだ。











「魔理沙~いる~?」

ある場所に重い箱と小さな箱を置いてきた悪乱は次に魔理沙の家に来ていた。
起きてた時のことを考えて小さな声で呼んでみたが、声は返ってこなかった。

「魔理沙のプレゼントはこれ……頑張って直したんだから」

妙に細長い箱を取り出すと、悪乱は壁にそれを立てかけた。
とりあえずはこれで魔法の森に住む悪乱の知り合いには全員プレゼントを渡した。

「ん~良し!次はレミリアの所だ!」

一旦伸びをした悪乱は、また空を飛び去った。
魔法の森の上空に出た悪乱の向かう先は一つ。
彼の最も訪れる場所……紅い館。紅魔館である。


















「めーりんメリークリスマス~」

「あれ?悪乱さんじゃないですか。こんな時間に来るなんて珍しいですね」

もう夜中だと言うのに紅魔館の門番である美鈴はまだ門にいた。
とは言っても、流石にそろそろ戻る所みたいだが。

「これプレゼント~。朝まで開けちゃダメだよ?」

「……あぁはい。ありがとうございます悪乱さん」

渡された箱と悪乱の服装でどういう意味だか気付いたのか、美鈴は悪乱の言うことに頷いた。

「みんなまだ起きてるの~?」

「ん~どうでしょうか?まだお嬢様が起きてる時間ですから、咲夜さんも起きてると思いますが……」

「ん~分かった。じゃね!」

「頑張ってくださいね~」

美鈴に見送られて悪乱は紅魔館の中に入っていった。
やはりこの時間は流石にメイド達もほとんど寝ていていつもより館が静かだった。

「まだ起きてるのかな……」

図書館の扉をそっと開け、ゆっくりと中に入っていく。
この時間であろうとも何も変わらない場所である。
だが今日は耳をすませても、本を捲る音は聞こえてこない。

「パチュリー……?小悪魔?」

小さく声を出しても声は帰ってこず、静粛が支配している。

「……寝てるのかな?」

「ん……」

静かな図書館を進んで行きいつもパチュリーが本を読んでいる場所に着いた。
そしてそこには机に突っ伏して寝ているパチュリーがいた。

「パチュリー……こんなとこで寝ちゃダメだよ?」

袋からいつものローブを出し、パチュリーにかけてやる。

「メリークリスマスなの……パチュリー」

そっと箱を置いてその場を去る悪乱。
その前方にまだ図書館の整理をしている小悪魔がいた。
まだ悪乱には気付いていないようだ。

「……小悪魔」

「あれ?悪乱さん?こんな時間に……」

「今日はメリークリスマス~」

「あ~だからその格好ですか。似合ってますね~」

「えへへ~」

褒められて照れるように笑う悪乱。
良く考えてみると、ここまで色々な人に会ったが、褒めたのは小悪魔だけだった。

「これが小悪魔へのプレゼント~」

「ありがとうございます。でも悪魔である私が貰うってのも変ですね」

「差別はダメ~なの~」

「あはは……すみません」

苦笑する小悪魔に対して悪乱は指を立てて、メッと言うように怒った。
そんな悪乱を見て、また小悪魔は苦笑していたわけだが。

「パチュリーも小悪魔も渡したからそろそろ行く~」

「そうですか。あ、そうだ。フラン様にも持っていくんですよね?」

「うん。そうだけど?」

小悪魔の言葉に悪乱は?を飛ばしながら答えた。
そんな悪乱に対して小悪魔は笑っていたが。

「じゃあ私が持っていきますよ。ご飯を持っていく役割は今日私ですから」

「わかった~。じゃあお願いね~」

フランへのプレゼントを託して悪乱は図書館を去っていった。
あとはこの館の主人であるレミリアと咲夜だけだった。
そして悪乱は紅魔館の中を進んでいく。

「あ~咲夜だ~」

レミリアの自室から出てきた人影。
それを遠目から、咲夜だと分かった悪乱は静かに走っていった。

「さて、お嬢様から許可も貰ったし……少し寝て……きゃ!?」

「はふ~咲夜メリークリスマスなの~」

「あ、悪乱?」

暗闇から急に飛び掛かられ、ちょっと混乱した様子の咲夜だったが、悪乱だとわかると安心したように息を吐いた。

「全く……突然だから何かと……」

「プレゼントなのっ!」

「え?……プレゼント?それにその格好……」

どうやらやっと悪乱の服装が違うことに気付いたらしく、咲夜は不思議そうな顔をした。
すぐに意味が分からないようだ。

「これは絶対咲夜に似合うと思うの~。だから明日開けたら絶対付けてね♪」

「え、えぇ……ありがと」

事態は飲み込めないが、とりあえず悪乱の凄く嬉しそうな笑顔にとりあえず咲夜は頷いた。
何やら良くわからないが、自分にくれるらしいとだけ認識したのだ。

「じゃあおやすみ~咲夜~」

「あ……おやすみ」

呆気に取られている間に悪乱は咲夜の体から降りて、レミリアの部屋に入っていってしまった。
咲夜はそのまましばらく硬直した後、自分の部屋にへと戻っていった。











「……レミリア?」

「悪乱?珍しいわねこんな時間に来るなんて……」

「レミリア寝て!」

「へ?ひゃあ!?」

出会い頭の悪乱の行動で、レミリアは見た目相応の悲鳴を上げてしまった。
そりゃいきなり抱き上げられて、そのままベットに運ばれれば当たり前だが。

「なななな何するの!?まだ私はそういうことは無理だってこの前……」

顔を真っ赤にさせて首を振りながらブツブツと呟くレミリア。
何か物凄いことを呟いているような気がする。

「今はそういうのじゃないの!プレゼントは寝てる間に渡すんだから!」

「……プレゼント?」

「うん!クリスマスプレゼント!」

レミリアを勝手にベットに寝かせながら物凄い笑顔で言う悪乱。
どうやらレミリアも冷静になったようで、じっと悪乱の服装を観察している。

「吸血鬼の私に普通クリスマスプレゼント渡すかしら?」

「……嫌なの?もらうの」

「え?いやいやいや!いらないなんて言わないわよ!?大丈夫だから……」

急に悲しそうな顔になる悪乱の顔を見て焦るレミリア。
相変わらず振り回されっぱなしである。

「じゃあ寝て~!レミリアには寝てる間に渡したいの……」

「……わかったわよ」

悪乱の切実そうな表情に、仕方なくレミリアは目を閉じる。

「メリークリスマスなのレミリア……」

そう小さな呟きが聞こえると、箱を置く音と共に悪乱の気配が去って行った。
だが悪乱が去った後、きちんとレミリアは眠りについた。
きちんと悪乱の約束を守るためである。

















「んぅ……」

「はぁ……夜中に突然来たと思ったら、いきなり寝ないで欲しいわよ全く」

霊夢はなんとなく事情を察しながらも、面倒そうにため息をついた。
そしてその膝の上には……すっかり寝てしまっている悪乱がいた。
最後に博霊神社にプレゼントを届けにきた悪乱は、萃香にプレゼントを渡し、霊夢に渡す所で寝てしまったのだ。
まぁ全部渡し終えて、気が抜けたのだろう。

「はぁ~悪いわね霊夢。私としたことが悪乱のサンタ姿に萌えて萌えて」

やっと復活したらしい紫も駆けつけ、霊夢は寝る時期を逃していた。
とは言っても、悪乱が来るまで寝てたわけだが。











「……それで悪乱は何を思ったのか、外の世界の風習であるサンタクロースの真似事をしてたってわけね」

「えぇ。良い子だし可愛いわよね~」

聞いてないことまで勝手に話す紫に、また霊夢はため息をついた。
相変わらず紫は悪乱を溺愛し過ぎなのだ。
まぁ霊夢自身も悪乱に甘いことは否定しないが……。

「しかし今夜だけで幻想郷中回ったって……バカよねこの子」

「んぅ……メリー……クリスマス……なの……」

霊夢が撫でてやると気持ち良さそうにする悪乱。
本当に落ち着いて良く寝ている。

「今日は私の所で寝かすわ。どうせ明日には全員来るんだし」

「頼むわ~。私はもう持ちそうにないから……」

紫はまたも鼻を押さえながらスキマに消えていった。
そんな紫にまたもため息を吐きながら、霊夢は悪乱を部屋に連れていった。



















「おはよ~……ふぁぁぁぁ……」

「やっと起きた?全く……もう夕方よ?」

次の日。
悪乱がやっと起きて来ると、もう日は沈み始めていた。
呆れたように霊夢は言うが、ここまで起こさなかったのも彼女である。

「ほら、いつまでもサンタになってないで、着替えて来なさい」

「は~い」

悪乱は未だにサンタの服装のままである。
何かとこのままでは問題がある。

「やぁ霊夢。もう準備を始めているのかい?」

「あら霖之助さん?珍しいわね、宴会に参加するなんて……」

「まぁわざわざプレゼントまで貰っちゃったらね。悪乱はいるんだろう?」

肩を軽く竦めて、霖之助は辺りを見渡した。
悪乱を探しているのだろう。

「悪乱なら今サンタから着替え中よ。さっき起きたばっかりだし」

「うに?……霊夢ー?誰か来たの?」

「あ、コラ。そんな寒そうな格好で出て来ない」

着替える途中で出て来る悪乱をまた奥に押し込む霊夢。
こうやってみると、本当に面倒見の良いお姉さんのようである。

「……ん~霖之助おはよ~」

「あぁおはよう悪乱。プレゼントはありがとうと言っておくよ」

「霖之助さんは何を貰ったの?私はお茶だったけど」

「僕は本さ。欲しいものが良く分かっている」

「外の世界の本なの~」

いつものローブに身を包み、嬉しそうに悪乱は笑っていた。
悪乱は外の世界にも良く出入りしている。
それを考えてみればそう難しいことではないのだろう。

「まぁ多分今日は悪乱にお礼を言いに来る人が多いだろうね……とあれは?」

「よう香霖!今日は早いんだな」

霖之助の向いた先から飛んで来たのは魔理沙だった。
相変わらず宴会に来るのが早い。

「魔理沙あんたは悪乱から何かもらったの?」

「この箒だぜ。香霖に修理を頼んでたんだけどな」

「悪乱がこの前持っていったんだよ。何かと思ったけど、プレゼントにしたのか」

「僕が頑張って直したの~」

「おう、ありがとな悪乱」

珍しく仲良さそうに話す悪乱と魔理沙を遠くから見る人物がいた。
その人物とは……。

「あれ?なんで私にはプレゼントないの?え、え、そんなことないわよね?」

何故かプレゼントを自分だけ貰ってないことに気付いた紫だった。
昼頃起きてみると、藍と橙が悪乱からのプレゼントと言うお揃いの箸で、悪乱の作ったお稲荷さんを食べていて気付いたのだ。
そう自分は悪乱からプレゼントを貰ってないと。

「うぅ……なんでなのーーーー!!」

紫の魂からの叫びに誰も答えてくれるものはいなかった……。
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