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久しぶりのSS

かなり久しぶりにSSでございます。

今日は魔界○○の番外編。
幻想郷を包む霧についてのお話です。

主人公は○○、執事○○の主人公をしていた人です。

では続きからどうぞ。













「ただ少しの」


「それで?結局あれは何だったの?」

深夜に行われる吸血鬼と魔女のお茶会。
その会場である紅魔館の一室で魔女、パチュリーは友人である吸血鬼、レミリアに不意に問いかけた。
その不意の問いかけにレミリアの方はキョトンとした表情をしている。

「……何の話し?読めないんだけど」

「惚けないで。この前のアレよ」

「あぁ……アレね」

アレと言われやっと合点がいったのか、レミリアは納得したような表情で紅茶を口に含んだ。
対照的にパチュリーの方は不満そうである。

「あぁアレね、じゃないわよ。レミィでしょ?○○を仕向けたの」

「仕向けた?何のことだか分からないわ」

「え……?」

親友の予想外の答えにパチュリーは驚いたような表情をした。
レミリアの表情はいつものからかったようなものではなく、本当に分からないといった表情だったからだ。

「あの霧を起こすよう○○にレミィが指示を与えたんじゃ……」

「知らないわよ。アレは勝手に○○がやったの」

「ちょちょっと○○!」

「お呼びですか?」

レミリアも知らない事実にパチュリーが急いで○○を呼ぶと、すぐに○○が扉を開けて現れた。
二人のお茶会のため退席はしているが、いつでも控えているのだ。

「この前のアレ……レミィの指示じゃなかったの?」

「あぁアレですか?はい、アレは僕の個人的な頼みでしたよ?」

「何のためにあんなこと……」

元々アレ、あの紅い霧をもう一度発生させることの理由がパチュリーには分からなかった。
レミリアなら多少は気紛れ等で片付けられるが、○○が気紛れで頼むとは思わなかった。
しかも半ば強引に頼んで来たのだから余計だ。

「まぁ……何でしょうか。恩を売っておくと良い相手っているじゃないですか」

「……はぁ?」

意味の分からない○○の言葉にパチュリーは微妙に間抜けな声を出してしまった。
レミリアの方は我関せずで紅茶を楽しんでいる。

「レミリア様、それで宜しいんですよね?」

「……え?あ、ごめん聞いてなかった」

「宜しいらしいです」

我関せずではなくただ単純に聞いていなかったレミリアは素の声で返したが、○○は相手にしなかった。
通じあってると言えば聞こえが良いが、どちらかと言うと扱い慣れてるといった感じだ。

「レミィは分かってるの?○○のしたことの理由……」

「そ、そりゃあ分かってるわよ……」

「……嘘ね」

「う……」

親友の不甲斐なさに軽くため息をつきながらも、パチュリーは○○の方に向き直った。
今は不甲斐ない親友とバカな談義をしている状態ではないのだ。

「何か最近パチェも○○も私の扱い酷いわね……」

「気のせいですよレミリア様。僕が愛するレミリア様を酷い扱いにするわけないじゃないですか」

「ちょっと○○!レミィをからかって話題をずらすのは止めて!」

「割と真剣に言ってるんですけどね……」

「というかパチェ?今のをからかってるって判断するのはあんまりじゃ……」

「レミィは黙ってて」

レミリア・スカーレット、居候の親友に一括され黙る。
カリスマ大低下。

「言ってそのままですよ。恩を売っておくと良い相手には売っておくものです」

「その相手は誰って聞いてるんだけど?」

あくまでどこか焦らすような言い方をする○○に対して、パチュリーは苛立ったように急かした。
いつものことだが、どこか○○にはパチュリー自身ペースを乱されやすいのだ。

「……良いじゃないですか」

「ひゃ!ちょちょっと○○!?」

「なっ!?」

いきなり○○は今まで話していたパチュリーを抱きしめた。
その様子を黙ってみていたレミリアもそれにはすぐに反応する。

「パチュリー様は僕の友人を助けてくれた……それだけです」

「ぅ……」

「さて、僕はそろそろ戻りますよ。ではレミリア様、パチュリー様」

余裕のないパチュリーに、睨むレミリア。
そんな二人を置いて、○○は逃げるように立ち去っていった。
二人が止める暇もない。









「ふぅ全く……あれほどパチュリー様が気にするとは思いませんでした」

二人から逃げた○○は廊下を一人歩いていた。
独り言のように呟くのは先ほどのこと。
○○自身これほどまでに追及されるとは思ってはいなかったのだ。

「まぁ嘘はついてはないんですよね。僕は数少ない友人を助けたかった。ただそれだけなんですから」

○○しか知らない真実。
ただそれは誰かが少し気にかければ分かることであった。
○○がパチュリーにあの霧を発生させるように頼んだのは本当に些細なことなのだ。
ただ友人を助けたかった。
少し背中を押してあげたかった。
心を持つものなら一度は思うかもしれないこと、それを○○は思っただけなのだ。

「アリスさん……末永くお幸せに」


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