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皆さんお疲れ様です

他のサイト様で見るまで夏コミの存在を忘れていたロキでございますw
というわけで行った方、再度お疲れ様です。

まぁそれとは関係ないのですがw

とりあえず予告通り完成したので載せたいと思います。

一応話しは決まってるのに思い付きで+するのは自分の悪い癖。

お蔭様で本来の予定の章の数を上回りそうですがまぁ良いでしょうw

ではでは魔界○○第二章。
アリスがあんまり出ていないのは気のせいだよ!













『家族』


「あ、藍さん。この食器洗っておきましたよ」

「ん?あぁすまないな」

アリスを始め、幻想郷の住民達に挨拶に行ってから数日後。
○○はあれからも特に問題なく八雲家で過ごしていた。
いやむしろ当然かのように八雲家に馴染んでいる。
まるでアリスとの言い合いなどなかったかのような態度である。

「あぁそういえば藍さん。紫様が藍さんを連れて来てくれって」

「私にか……?」

○○から不意に振られた言葉に、藍は少し戸惑っていた。
主人である紫が藍に用事があると言うのは分かるが、何故それをわざわざ○○経由で伝えてきたのか?
その理由が分からないのだ。

「俺にも何か用事があるみたいですがね。全く今度は何を企んでいるやら」

「まぁそう言ってやるな。紫様も何かしら考えがあってのことだ」

「そうだと良いんですがね。じゃあ行きましょう」

嫌そうな顔をする○○に対して、藍は苦笑していた。
それから二人とも揃って紫の部屋に向かう。

「紫様。入ります」

「失礼します」

○○が襖を開けて、藍が先に入る。
そして○○も入室し、そのまま襖を閉める。
これは式としての序列の意味合いであり、そういうのを深く気にしない紫相手にはやる必要はなかった。
だが今回は真面目な用事で呼んでいるのかもしれないという藍の提案でこうやったのだ。

「あら、珍しい入り方をしてきたわねぇ」

「用件が用件そうなので」

部屋で肘をついて待っていた紫に藍が答え、○○は後ろに跪き答えない。
序列が上のものが話を進め、決して下のものは発言しない。
これが本来の式のルールである。

「ふふ、そこまで畏まる必要はないわ。少しはまともな用事だけど。○○、貴方の話しよ」

紫の言葉に下げていた頭を上げて○○は紫の方を見る。
無表情の○○に対して、紫の顔にはいつもの胡散臭い笑みが宿っていた。

「しばらくこのマヨイガを拠点とし、幻想郷の民と親睦を深めなさい。藍、貴女はそれをサポートなさい」

「はっ?ゆ、紫様?」

「そう来ましたか」

紫の突然の言葉に藍は珍しく変な声を出してしまい、○○は素の声を出して嫌な顔をした。

「そう来たかとは人聞きが悪いわね。私は真面目に言ってるのよ?」

「でしたらその愉快さを全く隠し切れていない笑みを止めてください」

「あら私嘘はお嫌なの」

「なら愉快なんじゃないですか」

地味な言い合いが続く中、藍は真剣に紫の考えについて考えていた。
やがて考えがまとまったのか、二人の会話に口を挟んだ。

「それで私は具体的に何をすれば宜しいのですか?」

「○○には泊まりがけで行ってもらうわ。藍は主に送り迎えと、周辺警護をやって頂戴」

「分かりました」

○○が口を挟む余裕すらないほど流れるように会話が進む。
○○自身が口を挟む気がないだけかもしれないが。
だが会話がひとしきり終わると、また○○は口を開く。

「しかし泊まる先はいかがなさるおつもりで?残念ながら俺は幻想郷に友人らしい友人はいませんが」

「そんなの問題じゃないわよ。この前挨拶した場所の中で気に入ったところを言いなさい」

「とは言ってもですね……」

紫の言い分に渋るような様子を見せる○○。
どこか乗り気ではないようだ。

「何か問題でもあるのかしら?」

「……分かりましたよ。紫様の意思に乗るのは嫌ですが」

「それで宜しい」

○○は紫の追及に言い返す言葉がないのか、どこか皮肉地味た表情をしていた。

「すみません藍さん。迷惑おかけします」

「いやこちらこそ紫様が迷惑をかける」

「良いんですよ紫様ですから」

「……そうだな。紫様だし」

「……藍。後でお仕置き」















「……それで僕のところかい?」

「幻想郷で一番気苦労しそうにない相手だったので」

そんなことがあって○○は香霖堂を訪れていた。
○○が始めに滞在先に選んだのだ。

「それにここには博霊の巫女や黒白魔法使いも来るんでしょう?調度良いんですよ」

「……きみは確か魔界から来たんだったね。やはり嫌いかい?あの二人は」

どこか諭すような言い方をする霖之助。
何故だか分からないが、他の誰よりも霖之助が年寄り染みているように○○には見えた。
それは多分○○が無駄に年寄りに見える理由と多分一緒であった。

「……いえ。ただやはり好きではありませんが」

そんな霖之助に嘘を付く必要も、建て前を言う必要もない。
そう感じた○○は珍しく本心からの言葉を出した。
別に○○は霊夢や魔理沙が嫌いなわけではない。
あえて言うなら……ただの逆恨みなのだ。

「……ふむ。やはりきみは幻想郷の住民ではないんだね。紅魔館の彼ときみは似ている」

「彼ですか……まぁ確かに似てるかもしれませんね」

紅魔館で執事をしている男。
名前はたしか△△。
彼は外の世界から来たらしく、確かに魔界から来た○○と似てないことはなかった。

「まぁきみが気にしないなら僕は構わないよ。ただこの店は誰か来るような場所じゃないから退屈だろうが」

そう言って霖之助は自ら振った会話を自ら切った。
だが○○の方も気にしてないらしく、店内を見回っている。

「…………」

いやただ見回っているだけではない。
先ほどから○○は小さな埃等を商品や棚から取っているのだ。
無意識なのか、黙々とやっている。
そんな時がしばらく流れた後であった。

「香霖~邪魔するぜ~」

「……魔理沙か」

香霖堂に来る人物の中で最も来店率の高い人物である魔理沙。
全く商品を買っていかないばかりか窃盗までする迷惑極まりない客だが、霖之助は小さくため息をつきながら本を置いた。
騒がしい魔理沙が珍しい人物である○○がいる状態で来た時点で、ゆっくり読書をしている暇があるとは思えないからだ。

「あれ?お前は確かこの前の……」

「○○です。霧雨魔理沙、いや魔理沙。一度で覚えてください」

「あ~まぁ出来たらな」

皮肉を言う○○に対して魔理沙は対して気にした様子もなく流した。
相変わらずこういう所だけ見ていると大物である。

「んでなんでお前が香霖の所にいるんだ?」

「あぁまぁそれは……紫様の命令ですよ」

「紫か……まぁそれなら仕方ないな」

「……仕方ないで済ませられるんですかね」

ロクに説明もしていないのに魔理沙は妙に納得していた。
それほど紫はロクでもない扱いを受けているのだ。
まぁほとんどはあの態度が悪いのかもしれないが。

「それで魔理沙……一応聞いておくけど何の用だい?」

「香霖に会いに来てやったんだぜ」

○○と話していて何か用があるように全く見えない魔理沙に対して答えの分かっている質問を霖之助はした。
そして答えも結局予想通りだったらしく、霖之助は小さくため息をついている。
そんな様子を○○は少し興味深そうに見ていた。

「貴方は随分と魔理沙と仲が良いんですね」

「そうかい?まぁ……それなりに長い付き合いだからね」

「香霖は私がいないとたちまちキノコが生えて来そうだからな」

○○の何気のない言葉に二人そろって反応する。
その言葉は違っていても、中に秘められた意味合いは同じようだ。

「えぇまるで兄と妹のような……」

そこまで言った所で○○は言葉を止めた。
霖之助と魔理沙のまるで兄弟のような関係。
○○自身と彼女の関係にとても似通った関係であった。

「……?どうかしたのかい?」

「いえ別に……ちょっとその辺を散歩してきます」

急に言葉を止めた○○に霖之助が疑問そうな顔をして聞いてきた。
だが○○はその言葉に明確な答えを出さないまま一度店を出て行った。
まるで霖之助と魔理沙を見てられないというように。















「ふぅ……もう戻れないことなのに随分と未練がましいですね」

魔法の森の木に背を預け、○○は妙に自嘲染みた笑みを零していた。
懐かしくなってしまったのだ。
まだ○○が自分のことを似合わない俺などではなく私と呼んでいた頃。
そしてまだ……己の大切なものと一緒にいられた頃。

「あの頃に戻れるはずがない。あの方自身が選んだ道です……それにこれで良かったんです」

少し一人になり落ち着いたのか、○○の表情からは自嘲染みた笑みは消えていた。
代わりに現れたのはいつものどこかスキのない表情。
仮面のようなどこか人間味のない表情である。

「さて霖之助さんの店に戻りますか。いつまでもここにいるわけには……」

「……っ!?○○!」

木から背を離し香霖堂に戻ろうとした○○の少し前。
そこには彼が今最も会いたくない相手がいた。
アリス・マーガトロイド。
森に住む人形遣いにて、元魔界の住人である彼女である。

「……おやアリス様。こんな所で会うなんて奇遇ですね」

「ぬっ抜け抜けと……貴方は何?この前は逃げた癖に……」

「逃げたとは心外ですね。この前はただ挨拶に伺っただけですよ?」

「なっ!?」

前回と違って落ち着いているのか、アリスの前でも○○は余裕の様子を崩すことはなかった。
ヒートアップしていくアリスと違って妙に○○は冷静だ。

「さて俺は香霖堂にて仕事があるので失礼しますよ。アリス様もこんなところでボケっとしてないでください」

「ボッボケっとなんてしてないわよ!○○!待ちなさいよ!」

騒ぐアリスを連れて○○は香霖堂に戻っていく。
そこには読書に戻っている霖之助と商品を物色してる魔理沙、それに新たにお煎餅を食べている霊夢がいた。

「おや霊夢まで。随分と人気ですね霖之助さんは」

「ただ集まる場所に使われてるだけさ」

微妙に皮肉が混じっているのが分かるのか、しかめっ面で霖之助は答えた。
それに苦笑しながらも○○も椅子に座る。

「あら確か……○○だっけ?何、もう紫のところ嫌になったの?」

「紫様は元々それほど好きではありませんがね。まぁ俺にも色々あるのです」

「ふぅんまぁ良いけどね」

紫で慣れているのか、○○の皮肉的な態度相手でも霊夢の反応は普段のそれと全く変わりがなかった。
いや彼女が誰かの対応で変わることはないだろう。
例外があるとすればあの妖怪の男だけだ。

「そういえば外からアリスの声が聞こえたような気がするが……」

ふと言った霖之助の言葉にわざと○○は今気がつきましたと言わんばかりの表情をした。

「あぁきっとアリス様は追ってきたわ良いのに入りづらいんでしょう。昔から後先考えない……」

「誰が後先考えないのよ!」

「おやアリス様」

○○が説明している間に我慢が出来なくなったのか、若干扉を壊し気味にアリスが中に入ってきた。
霖之助や魔理沙は少し驚いているような表情だが、霊夢や○○は何事もなかったかのような顔をしている。

「○○が悪いんでしょ!貴方は昔からいつもいつも……」

「知りませんねぇ記憶違いじゃないですか?」

「知らないわけないでしょ!?」

「はいはい分かりましたからレディはもう少し音量を落としてください」

じゃれ合いという一方的な○○のアリス苛めを目の前でやられ、他の三人は呆然としていた。
いや正確には霊夢のみ相変わらずお煎餅を食べながらお茶を飲んでいるのが。

「あ~○○……少し良いか?」

「はい?えぇ私は暇ですのでいくらでもお答えしますよ」

話していたところですぐに霖之助の方に向き直る○○にアリスはまたも何かを言おうとしたが、結局何も言えず黙り込んでしまった。
それを横目で見ながらも霖之助は言葉を続ける。

「きみはアリスと知り合いなのか?随分と仲が良いように見えるが……」

「えぇまぁ仲が良いと言われると少し困りますが……古い知り合いではありますよ」

「あぁそうかそういえばそうだったな」

古い知り合いという言葉で理解したのか、魔理沙が彼女らしい笑みを浮かべてアリスを見ていた。
その目線から逃げるようにアリスは顔を背ける。

「知っておいででしょうが、俺は魔界生まれで……」

「失礼する」

○○が説明しようとしたその瞬間、狙ったかのようなタイミングで香霖堂に来客があった。
九尾を備える紫の式、藍である。

「○○今日は下見だろう?そろそろ帰って来いとの紫様のご命令だ」

「……そうでしたね。霖之助さん、この話しはまた後ほど」

「あ、あぁ」

「では失礼しますよ」

「失礼した」

藍のいきなりの登場に唖然とする霖之助を置いて、○○はすぐさま藍と一緒に香霖堂を出て行ってしまった。
その時になっていきなり霊夢も腰を上げる。

「じゃ私もそろそろ帰るわ。何か近々忙しくなるような気がするし」

「……それはいつもの勘かい?」

「まぁそんなとこ。今のうちに家でゆっくりするからじゃね」

今の出来事が原因かどうかは分からないが、急に霊夢は香霖堂を出て行った。
博麗の巫女としての勘、それが何かを告げたのだ。
すると必然的に少し暗い表情をしたアリスと困惑気味の霖之助、それに一人笑っている魔理沙が残される。

「じゃあ私も帰るぜ。霊夢が異変だって言うなら私も準備しないとな」

「魔理沙、きみが準備する必要はないだろう?それとその商品は……」

「んじゃこれ借りてくぜ!」

霖之助の指摘がきちんと届く前に魔理沙は商品を持って箒にまたがり行ってしまった。
騒々しい香霖堂がどんどんいつもの状態に戻っていく。
そしてやっとアリスも顔を上げた。

「私も失礼するわ。迷惑かけてごめんなさい」

「いや……構わないよ。またのご来店を」

「えぇ……次はお客として来るわ」

アリスは香霖堂には珍しい物を買っていく客である。
だからこそ霖之助は珍しく店員っぽいことを言ったのだがそれがおかしかったらしく、アリスは軽く笑いながら去っていった。
香霖堂にいる人物が霖之助だけになる。
それはいつもの状態であり、霖之助にとっても決して居心地の悪い状態ではない。
しかしそれでもどこか……空気が寂しがっていた。











「それほどに嫌われたいのか?」

「……何がです?」

それは不意の一言であった。
夕食後話しがあると言われ外に出た○○に対して藍が一言目に言ってきたのだ。
流石に不意を突かれたのか、○○の顔にいつもの表情はない。

「……答えないのならそれでも良い。だが私達はこれでも家族のようなものだ……困ったら相談して欲しい」

「…………」

「それにな……」

何も答えられない○○の顔に少し藍の顔が近づく。
その表情は少し恥ずかしそうながらもしっかりとした大人の表情であった。

「私はこれでもお前よりは長く生きているつもりだ。少しは姉を頼ってくれ」

「……分かりました……藍さん」

藍の言葉に少しだけ驚いたような表情をした○○だが、小さくそれだけ言うと家の中に戻っていった。
その様子を見る藍の表情は本当の姉のように暖かいものであった。











家族それはかけがいのないもの。
それが例え偽りであっても大切なもの。
操り手は確かに教え子の兄であった。
それが偽りであっても大切な妹であった。
しかし偽りはそう……長く続くものではない。


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